ひさおの独り言2016

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アクティブラーニングやりたいなら小学校に行け

大学のティーチングアワードを頂いた。先進教育賞アクティブラーニング分野と優秀教育賞大規模授業部門の2部門同時受賞らしい。受賞コメント等でも書いたが、とにかく工夫に工夫を重ねた講義だったので、受賞は純粋に嬉しい。

私など学生時代は教養講義にまともに出たことがなく、出ても大変につまらなかったという記憶しかない。したがって、自分が講義をする側になると、これが恐怖となって帰ってくる。できるだけ学生を飽きさせないつまらないと思わせない講義をしたい。講義に来たいと思わせる講義をしたい、そういう一心でやった講義だとも言える。

同僚のS先生と半々でやったのだが、S先生とはアプローチは違うものの「講義というもの」に対する考え方が近く、うまく相乗効果を産んだのだろう。

昨年の夏は、台風のせいで休講になった補講を8月のお盆直前にやることになり、誰も来たくないだろうから、2人のプレゼンバトルをやった。なんだかんだで40名くらいの生徒が来たのではないか、わざわざ実家から来た生徒もいた。もう一度やれと言われても不可能な、「伝説の講義」になるにふさわしい面白さだったと、自画自賛している。


さて、賞をもらったので、「アクティブラーニング」について思っていたことを偉そうに書いてみる。

いや、話はかんたん。「アクティブラーニングなんて、小学校の先生がみんなやってることでしょ?」ということだ。私がアクティブラーニング賞を頂いた講義を作る上で一番参考になったのは、小学生の子供の授業参観だった。

先生は、一回の授業の中で、明確に到達したいゴールを設定し、そこに向かって一人一人に考えさえ、グループ活動をやらせ、発言させ、答えを見つけさせる。みんなが参加している。これ、アクティブラーニングですよね?

結局、アクティブラーニングを忘れさせているのは、受験(あるいは知識の習得・詰め込み)だけを志向した座学なのであり、実は小学校の頃にみんなやった経験もあるし、アクティブラーニングをやりたい講師としては、生徒たちを「その頃の積極的な自分」に戻らせてあげればいいだけなのだ。

「その頃の積極的な自分」を引き出すのは、たしかに簡単なことじゃない。

生徒との信頼関係をきちんと作り、その生徒が何を持っているのかをしっかり観察して、それを引き出してやらなければならない。そして、それが出しやすい環境を作るために、まずは講師自身がそうとう羽目を外さなければならない。

それについても、小学校の先生から学ぶことは多い。小学校の(いい)先生は、生徒の人気者で、強い信頼を得ている。

アクティブラーニングっぽいことをやりながら、「小学校の授業が参考なんて、授業が幼稚な内容になってるんじゃないか」と自問自答することもあった。ただ、受講生は大学生、もういろいろな知識や経験を持っている。それを引き出し、それに合わせてレベルを上げていけば、決して授業のレベルを下げることなく、到達目標にたどり着くことが出来ると思う。

最後に、あたりまえのことなのだが、それぞれの講義にはそれぞれにゴールがあり、それに最も効率良くたどり着くためのアプローチは異なる。大学の講義をすべて私達がやったような方法で行うことは不可能であり、やはり知識を詰め込む講義も必要なのは間違いない。課せられた、教科書に書かれた内容をできるだけしっかりと身につける事を目的とした講義も必要だ。そういう講義には、そういう講義のやり方があるだろう。多分、私たちがこの講義でやったことはそれではない。


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by hisaom7 | 2016-09-28 12:55 | 雑記 | Comments(0)